イカルス星人①
「イカルス星人」

もじゃもじゃの髭と耳に特徴があった宇宙人でした。
現次元と異次元を行き来できる能力があったわけではないですが、自分たちの持っていた科学力がそれを可能にさせた宇宙人がイカルス星人でした。
一所でその次元移動の装置の研究をしていたわけですが、それを気取られることを恐れていたかのように別荘地に隠れて研究していたところを、とある少年を通じてウルトラ警備隊に通報されてしまったのがミソでしたね。
異次元の存在は人間ですら分かっていたはずですけど、その異次元に行くことすらままならなかった人間と比べてM78星雲の光の国の人間は優れた科学力を持った超人でしたから、ほんの些細なことも見逃さなかった感じです。
後にウルトラセブンは異次元空間に行く能力を見せましたけど、この時点では異次元空間には気が行っておらず、いきなり現次元に些細な変化あることに驚きながら、周囲の人間に気取られないように動いていた感じでした。

初代ウルトラマンの時に登場した怪獣ブルトン以来の異次元展開のイカルス星人登場の話。
ブルトンで扱われた異次元のモチーフを推し進めたら、異次元間の移動の展開になったという感じがありました。イカルス星人は怪獣ではなく知的宇宙人でしたから、イカルス星人の持っていた能力で異次元を扱うのではなく、その科学力を異次元について絡めてみたら、異次元を移動する科学力になったという設定です。
ということはイカルス星人は異次元に行って異次元とはどういう次元なのかを理解していたからこそ、そこから他の惑星の侵略行為を思いついたということで、体験として異次元に身を置けばどういう作用が働くのかが分かっていたはずです。
ウルトラセブンとの闘いでイカルス星人が取った動きはそういうことに影響されたものだったと思いますが、異次元における能力を身に着けていたわけではありません。
でも、異次元に基地を建設し、そこから異次元間移動の装置を開発して3次元の世界を攻撃していた科学力には唸るものがありました。
イカルス星人⑥イイカルス星人の大きな耳はどんな些細な物音も聞き逃さない超能力を発揮するものと思いましたけど、モロボシ・ダンがウルトラセブンであるということまでは見通せずにいましたね。
変わった雰囲気は察知できたようですが、モノを見抜くまでは至っておらず、異次元に引き込まれるようにやってきたモロボシ・ダンが狼狽える中、異次元間移動装置破壊の行動をとるまでは察知できなかったことが仇となったような気がします。

異次元、イカルス星人の場合は四次元を利用したようですが、こうした異次元を使う科学力があったイカルス星人が、通常切断されるはずのアイ・スラッガーが激突したことで爆破されたのはそうした科学力がイカルス英人の肉体に影響を及ぼしていたかもしれません。
そのアイ・スラッガーの衝撃の後にウルトラ念力で吹き飛ばされたところを見ると、異次元における能力についてはウルトラセブンの方が上だったわけで、自らがなそうとしたことからするとなんとも皮肉な最期だったように思えました。
イカルス星人②