ステゴン⑥
「化石怪獣 ステゴン」

初代ウルトラマンや帰ってきたウルトラマンでは、よく四つ足怪獣が登場していました。
特撮というか怪獣は基本、着ぐるみである点を考えると、中に入るのは人であり、人は二本足歩行の生き物ですから、四つ足怪獣の着ぐるみに一人で入るということは四つん這いになって動くということになります。
初代ウルトラマンに登場した怪獣ドドンゴは、着ぐるみに入っていたのは2人だったという珍しい怪獣でしたけど、それ以外は操演を絡めながらも一人で演じられ、四つ足怪獣ながら結局は二本足で立ってしまうケースもありました。
帰ってきたウルトラマンでは四つ足怪獣と言えば、キングザウルスⅢ世が真っ先に頭に浮かびます。
キングザウルスⅢ世は四つ足怪獣ながら膝をつかず、こうしたことは人が着ぐるみで怪獣を演じる中では初めてのことでしたけど、キングザウルスⅢは座高が低いことと首長であり、尻尾も長かったこともあって、見る側からするとどうしても視点が上に上がってしまい、膝をついてない四つ足怪獣という初の試みは目立たなかったように思います。
これがはっきりしたのは、化石怪獣 ステゴンが登場した時でした。
ステゴン
四つ足歩行の動物の足の運びは、結構複雑です。
一見してだけでは分からない四つ足歩行の動物の歩き方。
これを懐柔で演じようとするとどうしても膝をつくシーンが出てきてしまいます。
膝をつかないと無理が出てきてしまうためですけど、だから余計に四つ足歩行型の怪獣を着ぐるみで演じるのは難しく、だから時に立ち上がったりするし、ステゴンの時は前脚に高下駄を入れたりして工夫していました。
ステゴン②
ステゴンはステゴザウルスが化石化したものが、ショックで復活してしまった怪獣でしたけど、当時は化石ブームのようなものがありましたから、ステゴンのような化石型の怪獣が出てきてしまってもちっともおかしくないものでした。
ステゴザウルスは草食でしたから、それをエネルギー源とする胃袋は強力だったかもしれません。
胃袋に残っていた胃酸は強力な消化液となり、ガスとして噴射することもあって、巨体を有していたステゴンでしたから、ガスや涎みたいに落ちてくる消化液は人にとっては一たまりもないほど、危険性がありました。
帰ってきたウルトラマンのスペシウム光線を浴びても倒れなかったところは、化石が怪獣として復活してしまった生命力の強さの裏返しだったかもしれません。
子供たちの願いで帰ってきたウルトラマンはストップ光線を放って、ステゴンを宇宙へと運び出しましたけど、これはそうでもしないとステゴンの意思とは無関係にその危険性を拭い去ることはできなかったかもしれません。
ステゴン④