モグネズン③
「毒ガス怪獣 モグネズン」

戦争時代の軍隊が意識された作品は、ウルトラシリーズでも結構見られました。
日本軍はもちろん、ベトナム戦争において沖縄が貴重な米軍基地への中継地になってしまったことによる戦争への目が脚本家の想いで描かれたことがありました。
戦後20年そこそこだったウルトラシリーズ第1期には顕著な例として、作品のストーリーから登場した怪獣・宇宙人に至るまで、戦争への想いや反戦思想などが盛り込まれたものが多かった気がします。

時が経ってウルトラセブンから帰ってきたウルトラマンになってその影は薄くなりましたが、それでも帰ってきたウルトラマンの時の地球防衛軍・MATは十分に軍隊を意識させるものでしたね。
その隊員の親が日本陸において手を出してはいけなかった強烈兵器を製造し、その兵器製造と兵器に対する想いが描かれていました。
個人的に兵器は殺戮を目的としたものですから作ってはならないというのが理想です。
現実は厳しいものですけど、兵器のない世の中が理想であり、特に生き物への尊厳を損なう遺伝子や毒ガスなどの兵器は製造してしまったこと自体が大きく、核と並んで人間は手を付けてはいけないものだったと思います。
毒ガスの製造によってもたらされる悲劇とその意味の恐ろしさは、製造してしまった毒ガスを地下深く封じ目ていたところにその重大な想いが記されていました。

帰ってきたウルトラマンに登場したモグネズンの話は、怪獣モグネズンということではなく、手を出してはいけない壁に手を染めてしまった者たちの絡まる想いと脚本家であった金城氏の戦争、特に兵器というものに対する重い感情が出ていた物語でした。
ドラマというのではなく、戦争を知らない者たちへも戦争の怖さを肌で感じさせるものとなっていました。
モグネズン
イエローガスという毒ガスは、わずかな量で即死してしまうほどの強力さがありました。
いくらカプセルごととはいえ、それを飲み込んでしまって武器としてしまうところを見るとモグネズンの体力は相当なものがあったと思いますね。
背中に生えていた鋭利な棘は、これも意外なほど丈夫であり、その棘に触れてしまった者に与えていたショック閃光は、モグネズンが地中に潜み、イエローガスの影響を受けるうちに大きな身体的変化が出てきて発揮されたものでしょう。

イエローガスの影響による身体組織の変化は、モグラとネズミが合わさってさしもの帰ってきたウルトラマンも危うい状態になるまでの強力さを生み出していたようにも思えました。
カプセルごとイエローガスを飲み込んでいたわけですから、限りがあったわけですけど、ここらあたりが如何にもウルトラ怪獣だったなと思わさせるところでした。
モグネズン①