ステゴラス
「ステゴラス」

恐竜が怪獣化した設定、それがファイヤーマン登場怪獣の基本的な設定でしたね。
恐竜が怪獣化して思い切り獰猛になったというより、どこか怪獣っぽくなっていたということの方が合ってるのかもしれません。
怪獣は空想の中のものですから、思い付き、そして演出は恐竜から出てきたとなるだろうし、怪獣の基本的な能力を火を吐く大怪獣におくならば、ファイヤーマンに登場した怪獣は恐竜っぽく、そのエッセンスが強くありました。
でも、ウルトラ怪獣が出てきた10年前、恐竜に興味津々だった心は、そこに思い起こされたように怪獣っぽい恐竜、恐竜っぽい怪獣にも触発されていました。
剣竜と呼ばれたステゴザウルスを怪獣化したようなステゴラスは、四つ足恐竜が基本であったステゴザウルスを立ててしまった感があって、どこかスマートさを感じたのは胴体から頭部への首が長めに演出されていたことによるものでしょう。
怪獣らしく見せるため、ステゴラスは火を噴き、背鰭から電流を走らせていましたけど、ステゴザウルスが草食性恐竜でおとなしめの性格であったところも採用されていました。
メトロール星人によって隕石と衝突して故障した宇宙船を修復させようと、マンガン団塊化していた岩を奪取してみたらそれはステゴラスの卵であったことにより、コントロール装置を備えられたこともあって、訳も分からず暴れてしまったというところでしょう。

ファーヤーマン登場までの10年間は怪獣はもちろん、宇宙人も様々な形で特撮番組に登場していましたから、いくらファイヤーマンに登場した怪獣が恐竜ぽかったといっても、時代そのものが恐竜時代ではないのですから宇宙人が登場してもおかしくはありませんでした。
この時のステゴラスは、いわば、メトロール星人の邪悪な心の犠牲になってしまい、それに気が付いたファイヤーマンでも防ぎ切れなかったところに悲運がありました。

でも造形はともかく、デザイン的には好きな怪獣の一匹で、ここに宇宙人を絡ませるならばこういう具合しかなかったとは思いますが、もっとステゴラスを前向きに思い切り獰猛に設定してもよかったかもしれませんね。
ステゴラス⑤