仮面ライダーSPIRITS~魂の結成
「仮面ライダーSpirits~魂の結成」

少なくとも仮面ライダー1号、仮面ライダー2号は自ら望んで肉体を改造されたのではありません。
脳改造は免れたとはいっても、それ以外の肉体は自らの意思は棚上げされ、悪の秘密結社に切り刻まれ鋼の骨格と人工筋肉を埋め込まれたものです。
人間であって人間でない悲哀は、仮面ライダー1号、仮面ライダー2号が感じるところでしたけど、その悲哀を乗り越えるというのは想像力できないほどの苦難であり、それを乗り越えたところにあったのは戦うことで生きるということでした。
肉体改造は倫理観を超えたところにあって、望んでそうなることは人間の宿命に逆行することです。
神の領域ですら蹂躙するこの行為は、それに抗うことが苦難を超えた悲哀だったかもしれません。
バダンハンター・Spiritsは、確かにバダンに被害を受け恨みを持った者たちの集団ですが、いくら兵士とは言え、人間として戦おうとするわけですから、機械の全身改造を受け入れることなど、愚行に他なりません。
仮面ライダー1号、仮面ライダー2号の傍にいてショッカー・ゲルショッカーと戦い抜いてきた滝が、実は最も悲哀を感じていたかもしれません。
そして改造人間と通常の人間との圧倒的な差を感じていたのも滝。

それが「生身でもがくのが筋ってもんだ!」と滝に言わしめた名言となりました。
仮面ライダーSPIRITS~魂の結成①
興奮状態になるとその肉体に改造手術の名残が浮き上がったことを演じられたのは一文字隼人でした。
この仮面ライダー2号対ゲルショッカー、そして仮面ライダーZXの絡みは、改造人間は人間であって人間でない改造人間の悲哀を抱えて仮面ライダーは戦うことが描かれています。
そうしたことを描く上では仮面ライダー2号は欠くことのできない存在であり、その傍で滝も戦い、そして滝の残した言葉をSpiritsを通して仮面ライダーZXに通じたことが、何よりのポイントでした。

仮面ライダー2号はパワーの戦士である代わりに技のバリエーションが少ない、しかし共闘した時のパワーは異常なくらいまで発揮できるとなると、仮面ライダー2号・仮面ライダーZXでのライダーダブルキックは最高の演出でした。
スペックの差は、想いで埋めるかのようなこの共闘は、仮面ライダーZXの能力をまた更に引き上げていたと思います。
仮面ライダーSPIRITS~魂の結成②
仮面ライダーSPIRITS~魂の結成③