アントラー(マックス)③
「磁力怪獣 アントラー」

初代ウルトラマンに登場した怪獣アントラーは、名作中の名作怪獣でした。
その初代ウルトラマンの時ですら、アントラーはおそらく何千年も生きてきた怪獣であり、謎の超人が出現しなかったらもっと恐ろしい惨劇が繰り広げられたのかもしれません。
アントラーはその名の通りアリジゴクの怪獣であり、最大の武器は磁力でした。
おそらく磁力に影響されない世界はないでしょう。
地球という惑星も南極と北極で磁力を引きあいながら世界を構成していたわけですから、その磁力を武器にした怪獣には地球上の生命体では対抗できないでしょう。
恐ろしいほどの磁力に影響されない環境と生命体はあり得ない、それは太古の昔から現代に至るまで姿形と深さに差こそあれ、変わらないことですね。

そうした強烈な磁力を伴ったアントラーは、磁力の強力さ故に身近に何も引き寄せず、いや、自ら鼻に意図しないのに引き寄せられていったことが地獄のようであり、しかもアリジゴクの怪獣であったわけですから、すり鉢状に作っていた巣に引きずり込まれるようでもありました。
初代ウルトラマンの時は中近東の砂漠にあった街のあたりに登場していましたが、アントラーがアリジゴクの怪獣だけあって、その適正に見合った場所に登場していた感がありました。
このアントラーが街中に登場していたら、、、と思ったこともあって、ウルトラマンマックスでアントラーが登場してきた際にはどんな演出が施されるのだろうという思いもありました。
ビル街の建ってる土地が砂漠化してアリジゴクが作られるとなると、それだけでとんでもないことですが、近代の街はあらゆる電波、音波が飛び交っているのです。
人が多く、街を形成すればするほど磁力に弱いのは自明の理ですね。
アントラーは磁力怪獣でしたから、そこをもっとアピールする演出が欲しかったところです。
都市部にいきなりアリジゴクが出現して混乱し、磁力で通信も何も聞かなくなったところで現れたウルトラマンマックスをどれだけ苦戦させるのか、そうしたところにアントラーという怪獣の魅力を表現できるものがあったのかもしれません。

ウルトラマンマックスの決め技マックスカノンのエネルギー収集すらさせなかったアントラーの磁力は、かつて初代ウルトラマンのスペシウム光線をも受け付けなかった強力な体皮に強力に帯びていて、その威力はとんでもないものでした。
ウルトラマンマックス一人では勝てなかったことは、バラージの青い石が最終的に利用されたことでようやくアントラーを弱体化させるという人間との共同作業がその証明でもありました。

初代ウルトラマンの時と同じく、バラージの青い石がアントラーを倒すということになりましたけど、こうした古代の神秘的なパワーがなぞられることにはうれしくもありました。
アントラー(マックス)①



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