「宇宙工作員ケサム」
戦争なんて、人間の愚行の象徴ですね。
文明なんていうまやかしものは、そうした人間が繰り返してきた争いごとの末にできたものなんでしょう。
歴史を築くには幾重もの犠牲がつきものかもしれませんけどそれは悲しすぎることでもあります。
文明と呼ばれるものが高度になればなるほど、そこで行われてしまう戦争は人類だけでなく、人類が住む惑星まで瞬時に滅ぼしてしまう恐ろしいものです。
人類より恐ろしく進んだ文明を持つ惑星は、広大な宇宙の中にはあるのかもしれません。
戦争という争いごとは、そこに知能を有して生きていた者の運命や宿命なのかもしれず、広大な宇宙の中で高度な文明を築き上げながらそのために母星そのものまで滅ぼしてしまったものもあったのかもしれません。
その滅亡の中で生き延び、まるで自分たちが犯してしまった滅亡に至る戦争という愚行を呪うかのように宇宙の星々を見つめていた者がいたとしてもおかしくはないと思います。
ウルトラマンマックスで登場したケサムがそれでした。
ケサムのスーツは瞬間移動機能があり、人間大から巨大化も図れた上に左手から発する念力や、腕に仕込まれたビームガン、レーザーウィップが武器という特殊機能スーツでした。
ここまでの機能を備えたボディスーツをまとったケサムは、そのボディが頑強ありながら俊敏でもあり、攻撃破壊能力が優れていたのは何もビームガンやレーザーウィップがあっただけではありません。
惑星破壊爆弾というとんでもない破壊兵器を開発していたことが、ケサムが置かれていた超高度文明を感じさせることでした。
これをめぐってウルトラマンマックスと攻防を繰り広げますが、ケサムの有していた文明が高度で地球文明の及ぶところでなかったのは、DASHの攻撃が全く通用しなかったことに現れていました。
最終的には情にほだされてケサムはなくなってしまいますが、行き過ぎた文明に人間の理性が及ばないのは
地球人類だけではなく、ケサムも同じようでしたね。