カネゴン⑤
「コイン怪獣 カネゴン」

ウルトラQは時代の産物であり、何体もの傑作怪獣が出てきます。
ペギラ、ガラモン、バルンガにケムール人等々。
中には怪獣というより、現実の世界のモチーフや映画に近すぎて、いわゆる怪物、化け物みたいな怪獣が出てくることもありましたけど、昭和中期の時代を反映させたようなモチーフと設定はリアル感がプンプンします。
そのリアル感の裏側には時代の匂いがし、登場する怪獣だけではなく、怪獣を取り巻く環境にもそれが感じられました。

今は現金の持ち歩きというよりネット上でマネーを動かすというキャシュレスを国が推し進め、或いは仮想通貨が出てきてみたりと、現金を使わないような時代となってしまいました。
現金がなくなるということはないでしょうけど、それでもその姿を昔ほど見なくなってしまうような風潮は、高まる危険度を避けようとするものなのでしょうけど、財布自体に現金ではなくカードが入ってたりする不調は財布が財布でなくなってしまうような一抹の寂しさを感じてしまいます。
財布は昭和の時代ではガマ口というものもあって、イメージ的には井戸端会議をやってるおばちゃんが持っていたようなイメージがありました。
そんなところから怪獣を創出してしまうとは、意外性の何物でもないでしょう。
それが傑作怪獣カネゴンでした。
カネゴン②
ガマ口のようなカネゴンの頭部は、チャック(ファスナー)で閉められるガマ口のでは入り口が口となっており、ここから好物の硬貨とお札を放り込むように食べ。1日に3,520円以上は食べないといけない設定は根拠はないのでしょうけど、とにかく面白かったですね。
このガマ口のような頭部にはイボみたいな突起と細長く飛び出した二つの目が生えていましたが、こrはカネゴンの頭部として全体的にみると、アンコウやカエルのようにも見えて生き物然としていたところは、製作者の工夫が思い切り凝らされていたと思います。
しかも、胴体にかけてカネゴンはすべて10円硬貨の銅でできており、胸に食べたお金が表示されるレジスターが桁ごとにパネルのように動いていたことなど、すべてがお金のためにできていた怪獣でした。

キャッシュレスではない現金しかない時代、こういう怪獣は面白かったですが、現金にまつわるものをすべて怪獣に置き換えることなど、多分誰も思いもよらなかったところでしょうね。
怪獣というよりは寓話に出てくる怪物のようでしたけど、カネゴンも感情が高ぶると涙を流すという人のような感じは、人間に近い感情みたいなものを持った小さな怪獣だったんでしょうね。
カネゴン⑨
お金にまつわる子供たちがお小遣いをカネゴンにつぎ込むことでカネゴンは生き延びるものの、それには簡単に限界がやってきて銀行を襲ってしまう展開は、カネゴンになってしまった少年よりも大人を扱いたかったんでしょう。
お金に貪欲になるのは仕方のないこととはいえ、度が過ぎると亡者となってしまうのは今も昔も変わりなく、より現金に近かった昔はそれこそ子供にかかわらずカネゴンになってしまうぞちというメッセージだったんでしょうね。
お金よりも自分の姿に戻ろうとする一心で、尻から火を噴くロケットと化して飛び去り、上空からパラシュートと共に降りてきた時に元の姿に戻っていたのは、心からやっとお金とは全く別のことに動いいていたこといよるものでしょう。
そしてお金の亡者となり果てた少年の両親がカネゴンになってしまったという結末は、寓話でありながら以外にもそれ以上ないメッセージがあったように思われました。
カネゴン①



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