「ハイドランジャー」
ウルトラセブンという番組のもう一つの魅力は、ウルトラ警備隊が使っていたメカニック兵器のリアルさにありました。
ウルトラセブン放映よりも前に、サンダーバードという人形劇番組が世界的にヒットしていました。
この番組に出てきたメカニック兵器が子供心をくすぐったのは、いつの世でも戦闘兵器に憧れを抱く好奇心への刺激になっていたということなんでしょう。
サンダーバードは人形劇でしたから、どうしても好奇心を惹かれたメカと言ってもおもちゃ感が反し得ず、よりリアルにしたいと思って取り組んだのがウルトラセブンに登場したウルトラへ兵器なんでしょうね。
どうしてもウルトラホークなど航空機に目が行ってしまうところ、それほど登場シーンが少なかった航空機以外のメカに目が行ってしまったのは、存在感がしっかりしており、効果的に使った話が必ずあったからでしょう。
ノンマルトの話を見た時、地球人類はいったい誰なのかを思わせる物語の展開も去ることながら、ノンマルトに乗っ取られたハイドランジャーという水上水中両用航行艇に目が惹かれました。
このハイドランジャーは、キングジョー登場の話の時もアイアンロックスやサロメ星人の時も出てきましたが、ウルトラ警備隊専属航行艇ということではなく、一般の地球防衛軍隊員も乗りこめたというところが、乗っ取られてしまう大きな要素でありながら、最後にはノンマルトの基地を壊滅に追いやったのもハイドランジャーだったという展開を見るに、やっぱりノンマルトの話でのハイドランジャーは大きな存在感がありました。
戦中だったかその前後だったかに、ドイツの潜水艦にUボートがあって、そこをモデルとした潜水艦が今のロシアの前身ソビエト連邦の海軍に存在し、アメリカ海軍としのぎを削っていたという時代がありました。
ウルトラセブン放映の時代はまたアメリカとソビエト連邦の冷戦時代であり、その象徴の一つであったベトナム戦争は日本にも大きく影響していました。
ウルトラセブンの脚本家はその思想的影響はなかったとするものの、それ以外の戦闘兵器などのイメージはかなり影響していたと思われ、日本人ですからアメリカ海軍の兵器ならまだしも、敵であったソビエト海軍の潜水艦に影響されていたというのは面白い着眼点だったと思われますが、まさしくハイドランジャーはそのソビエト海軍所有の潜水艦だったということです。
日本にはまだ潜水艦が乏しかった時代でもありましたので、最新鋭機器に目が行くのも興味心のなせる技であり、当然のように思われますが、ソビエトの情報が規制されて少なかった時代にこういう影響があったというは非常に興味が注がれます。
しかもそのネーミングがまた、、、
ハイドランジャーとはアジサイのことではなく、ハイドロ+レインジャーという水などの液体と放浪者をイメージする単語を組み合わせた造語を言いやすく変えたものと考えた方が妥当ではありますが、こういうネーミングには特撮でとにかく面白くて人目が惹かれるモノを作りたいんだという一心とセンスを感じますね。
ハイドランジャーのデータについては以下のようなところです。
所属:ウルトラ警備隊
型式名:(1号機)TDF HR-1(2号機)TDF HR-2
全長:48メートル
重量:1200トン
最高速度:50ノット(水上)・27ノット(水中)
乗員:1~4名
武装:レーザー砲・魚雷・水中ミサイル・対空ミサイルなど
潜水艦の艦橋は基本的に潜水艦の中央部にあるところ、ハイドランジャーは後方にあることからリアル感と同時に迫力もあり、艦首と環境付近から発射される大型ミサイルや魚雷には威圧感のような迫力が感じられました。
動力は基本的に原子力にあって、加圧水型原子炉推進器から艦内にある水流ジェットタービンを回すことでウォータージェット推進を行うことによって航行していましたが、どうも原子力というイメージがわかなくて、架空の動力源なんだろうと勝手にイメージしていました。
ウルトラセブンとは近未来の特撮SF物語でしたから、そういう架空の設定があってもいいんじゃないのかというところですね。
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コメント
コメント一覧 (2)
実のところ、私はあの連中をノンマルトと思っていません。人間は海底開発の準備を始めただけで、ノンマルトの居住地に危害を加えた訳ではありません。
ノンマルトを名乗る連中は何をしたという訳でも無い海底開発のスタッフ達を殺害し、明確なコミュニケーションを取る為に真市少年の身柄を確保しようとする地球防衛軍の隊員達を殺害し、挙句の果てには何の関係も無い一般の町々を破壊しました。そこに住む何も知らない多くの善良な人々、子供達や赤ちゃんも犠牲になった事でしょう。
ノンマルト(?)は爆弾や火器のような兵器は所持していないようですが、暗躍により兵器を奪ったり、ガイロスのような生物兵器を生み出す技術は持っています。セブンの加勢が無ければウルトラ警備隊も危なかったかもしれません。
コミュニケーションも取らずに一方的な殺戮を繰り返す以上、ウルトラ警備隊はノンマルト(?)を殲滅せざるを得なかったのです。
仮に過去の人間がノンマルトを滅ぼした事実があったとしても、過去は過去。セブンは今現在の善良な人々を守っているのであって、侵略者を守っているのではありません。
ただ、その純な心をノンマルトを名乗る連中に利用されたと思われる真市くん(の霊)は可哀そうだと思いますけど。
http://plaza.rakuten.co.jp/achachan
ハイドランジャーはウルトラメカの中でも戦闘力の高い潜水艦ですが、最終的にはノンマルトの居住地を壊滅させてしまうのですよね。
「ノンマルトの使者」は「セブン」いえウルトラシリーズの一番の問題作ですね。地球の先住民・ノンマルトが居住地である海を守る為に侵略者である人間に攻撃をしてくる話。
もし人間が宇宙からの侵略者だったとしたら、何故文明が衰退してしまったのか?恐らく、チャンスを窺っていた内部の穏健派が侵略派の隙をついて彼らを一掃。勝利した穏健派は過ちを繰り返さない為にそれまでの文明を破棄して一からやり直した・・・・・・。
だとしたら、ノンマルトは文明を無くした人間達と和解して共存している筈なんですけど?
人間の少年を使者に選んだという事は、全ての人間が敵では無いという事を把握しているという事。海の居住地を荒らされたくないのだったら、一般人の少年を使者にするよりも自分達の存在を示して直接訴える方が効率が良いのは分かる筈ではないですか?(続く)