初代ウルトラマン(A)

初代ウルトラマン(A)」

まだ幼い頃、TVは白黒TVでどの家庭にでもあるものではありませんでした。
極端な話、映画自体も白黒ものが多く、言ってみれば小型映画館のような味わいもあり、当時TVのある家には盛んだったプロレスや相撲、そしてプロ野球などを見たさに近所の人が集まったものです。
カラーTVの登場は昭和40年打の初期。
当時としてはかなり高価だったと言われてるようですけど、何故かウチにはありましたね。
幼い頃は本や紙芝居、図鑑や映画などで見た怪獣を空想の世界で語り合うのがなんとも楽しみの時代でしたし、そんな中で放映されていたウルトラQは、好奇心旺盛の子供たちには応えられない番組でもありました。
そのウルトラQも終焉に差し掛かった頃、今度はカラーTVで正義の味方となる宇宙人が見られるかもしれないという話が出回り、噂のようになって待ち焦がれました。
そこで出てきたのがマグマ大使。
なんだ、宇宙人じゃなくロボットじゃないかというのが率直な感想でしたけど、まだまだ情報量もマスメディアも極貧の時代でしたから、面白く夢中になりかけました。
そこから2週間ほど遅れて、始まったのがウルトラマンです。
マグマ大使が時としてアニメの要素を持ち込んだのに対し、ウルトラマンはいわゆる特撮もので、子供たちがウルトラマンにシフト替えをしたのも当然だったかもしれません。

今にしてみてみると、この初代ウルトラマンもウルトラマンと対決した怪獣ベムラーも、正義の味方や怪獣としてどんな動きを取ればいいのかまるで分ってなかったのかもしれません。
まるで自然の大地というリングで、反則ありのプロレスでもやってる様な風景。
それでも、正義の味方である宇宙人はこういうものなんだと勝手に思い込み、引き込まれて行ったのは自然の成り行きだったのかもしれません。
今でこそ、いろんなウルトラ戦士がいますが、ウルトラセブンを除き、前例がないのですからデザインからして考え抜くのは大変なことだっただろうと想像することに無理はありません。
当初はレッドマンという企画がたてられたそうだと聞きますが、赤をメインとするより銀をメインとして赤を交わらせた方がHEROの姿としてはスマートだったという正解に落ち着きそうです。
どこか観音菩薩の姿も連想できそうなその表情は、穏やかに事を済ませたいのにそうはいかず、戦わざるを得なかったというように見えました。
それでもこの連続カラー番組はアメリカへの売り付けも考えられていたらしく、表情は鉄仮面のように・・・というコンセプトがあったらしいですから、不思議なものです。
初代ウルトラマン制作の頃は、まだスーツの素材自体が良くなく、番組制作が進行するにつれスーツが悪化し、後に2度マスクが取り換えられたそうで、最初のマスクは初代ウルトラマンのAタイプとされてるようです。
鉄仮面のようにというコンセプトは、何故か当初は初代ウルトラマンが口と見える部分を動かして言葉を発することが想定さrていたようで、そのため初代ウルトラマンのマスクは柔らかそうで、口のあたりに若干のシワのような名残が見えてます。
鉄仮面とは無表情であって口を動かさないというイメージがありますから、いろんなアピールを考えているうちにいろんな要素が混在してしまったようですね。
初代ウルトラマンの何話目かで初代ウルトラマンが笑うシーンがありましたけど、なんとかその可動式の口を使いたい一心の企画だったと思われます。
しかし、話すことなんて企画しようがない状況で制作が進行する中、監督であり特撮の神様と言われた円谷英二氏の一声で初代ウルトラマンが言葉を発すること自体が取りやめになったそうです。
初代ウルトラマン(A)⑧

正義の巨大HEROは宇宙人であるべきだったという意味で初代ウルトラマンの企画は大正解だったと思うんです。
映画で大成功を収めた怪獣ゴジラがあって、そこからTVで見ることができる意味で成功作となったウルトラQが出、そしていよいよ正義のHEROがカラーTVに登場する。
このワクワク感は、当時をリアルで迎えて体感したモノでないと分からないでしょう。
折からの怪獣ブームに更に火をつけることになった初代ウルトラマンは、子供たちの世界を席巻しました。
あの時代だからとてつもないHEROになったとみることも出来ますが、もう一つの主人公となった怪獣たちにも優れたデザインがあったことも見逃すことができません。
時代ではなく、苦難と前向きなもがきはひた向きさを生み、本物のHEROを生んだと言えますね。

初代ウルトラマンは、子供たちだけではなく、世間全てを巻き込んだスーパーHEROであったことに間に合う年齢で居られたことが実に快感でした。
初代ウルトラマン(A)⑦


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