改造コブラ男⑧
「改造コブラ男」

仮面ライダーもショッカーの改造人間も、生体改造とはいえメカが内蔵されており自己修復機能が働くものでしたし、部分的に欠損が出てもそこが自己修復で叶わなければ、積極的にショッカー科学陣に修復が施されれば何度でも戦いを挑めるものだったと思います。
仮面ライダー自身はショッカーから抜けたわけですから、発達していたと思われる自己修復能力に賭けるほかなかったんでしょうけど。
歴代のショッカー改造人間は、初期といえども仮面ライダーによって最後は溶けてしまって消滅するか、爆死して粉々になってしまうかという展開でしたから、やられてしまった改造人間の修復とはいかなかったでしょう。
改造素体の問題はありますが、1度は作り上げた改造人間の設計図はあったはずで、コブラ男の場合、ライダー菊によって爆死したとはいえ、身体の一部は部分的に残って回収されていたのかもしれません。

ショッカー初の強化改造された改造コブラ男。
毒ガスを吐く能力はなくなってしまいましたが、鋼鉄をも溶かしてしまう高温火炎を吐くようになり、コブラ男の頭部後方に羽根のような、、、いやこの場合、コブラが敵を威嚇するとき機能をコブラ男の後頭部に植え付けたと言った方が良いでしょうね。
羽根というよりはコブラとしての身体を誇示したかのようなこの機能は、高音火炎を吐く準備として大きく広げることでパワーを集約させるものだったのかもしれません。
体色も青というよりグレーっぽくなり、よりコブラらしくなったように見えました。
毒ガスも相当な武器でこれも鋼鉄を溶解するほどの威力を持っていましたから、これと入れ替わるように高温火炎という武器を身に着けたのは、強化というべきかどうかは分かりませんが、ただ、高温火炎はしっかり使いこなせるほどの技量には乏しく、狙いとか焦点がなかなか定まらないところがありました。
この改造コブラ男を創出した生体科学者がコーチとしていましたけど、この生体科学者はショッカー首領に役目が終わったとして、改造コブラ男に始末されていましたけど、改造コブラ男の完成にはもう一つの状態であり、生体科学者の役目は終わっていなかったでしょうね。

まるで、この生体科学者の言いなりになっていたような改造コブラ男の様子を見てると、強化とは引き換えに声をも失って従順になっていたような感じがしますけど、それも生体科学者の存在の延長線上にショッカー首領がいたことがしっかり認識され、それがために命令には従順だったと言えるのかもしれません。
改造コブラ男⑤
まだ強化改造技術がショッカー科学陣には足りてなかったのかもしれません。
しかし、この試みは後に仮面ライダー2号の創出ということで役立っていたのでしょう。
少なくともこの時点では使用する武器の入れ替えと胴体力の向上という点はあったものの、強化改造の目立った効果は出ていなかったと思いますね。
胴体力の向上は、仮面ライダーとの交戦の様子を見ればわかりますが、それでも最後はなんとライダー返しで海面に叩きつけられて最後を迎えていましたね。

でもデザイン的には面白かったですよ。
如何にもコブラが改造素体であることが明確になって。
コブラ男も手作りの傑作怪人でしたけど、改造コブラ男はそれ以上の感じがしましたからね。
改造コブラ男⑨