アンタレス
「さそり怪獣 アンタレス」

サソリ型の怪獣は意外といないものですね。
帰ってきたウルトラマンに登場していたサドラ位しか思い浮かびませんが、サソリは地球上生物であるのを、ウルトラマンレオに登場したアンタレスはサソリと宇宙怪獣の合体獣ということでしたから、どこか超獣のようでもあり、飛来した宇宙怪獣が地球上で活動するのにサソリを取り込んで一体化したということなんでしょう。
両手両足についていた鋭いハサミで敵を捕らえ、80mもあった長く太い尻尾で締め上げる様はいかにもサソリを怪獣化したようですが、尻尾には猛毒が仕込まれていたところも含めてアンタレスとなった宇宙怪獣はそうしたサソリの特徴を怪獣化できるほど胴体力が強く柔軟であり、強力な宇宙怪獣だったと思います。

アンタレスはあらゆる存在に変身できる能力があったということですけど、ひょっとするとこれだという決まった体の形を持たない軟体のような宇宙怪獣で憑依したものの姿に頼って身体の形を作り出していたのかもしれません。
両手両足についていた鋭いハサミで敵を捕らえ、80mもあった長く太い尻尾で締め上げ、尻尾の先にも大きく鋭いハサミがあって、これで逃げられなくなっていた敵を仕留める攻撃法はいかにもサソリですが、ハサミの間からは火炎攻撃、敵を締め上げ戦意を喪失させる両目からのショック光線は、宇宙怪獣であったことの要素でしょう。
実に見事としか言えない強力怪獣がアンタレスですが、赤い煙幕の中から出現するところも宇宙怪獣ならではのことでしょうね。

空手少年に化けて道場破りもしていたとk路を見ると空手の使い手とみることもできますが、拳法のことなどまるで知らないアンタレスがその柔軟な胴体力で空手ができていた少年を丸ごと取り込んでしまった果てのことで、初戦では敗退させたものの、特訓を経た2戦目では拳法家であったウルトラマンレオに尻尾の攻撃を見切られ、逆に尻尾をレオキックスライサーで切断されてしまったのは当然のことだったのかもしれません。
けれど、まだまだ撮影技術が覚束ないウルトラマンレオ放映の時代の怪獣としては見事で、今の時代で取り扱ったら非常に見栄えのする怪獣だったかもしれません。
アンタレス①
アンタレス③