「四次元怪獣 トドラ」
自分が小さいころ、アメリカはフロリダ沖のバミューダ海域で魔のトライアングルが話題になってたことがありました。
そのトライアングルに迷い込んでしまった船舶も航空機も、行方不明になってしまう。
科学力を持って操作しても謎は謎を呼んで、何も見つからずという不思議な現象は、今でもきっと解明さないでいるのでしょう。
この魔のトライアングルという空間には何があるのかという謎は、様々な憶測を呼びました。
良く言われていたのが、ここには四次元空間があって、一度入り込んでしまったら抜け出せないということで、当時はそんな空間を異次元空間とは呼ばず、四次元空間と呼んでいました。
今我々が生きている空間は三次元で、しかし、広い世の中の空間には時空の狭間のような次元の割れ目がそこかしこに存在してるのかもしれません。
ウルトラQ放映の頃には行方不明者が結構いたものですが、北朝鮮による拉致など、まだ知らぬ世の中でしたから、何故そう言うことが起こるのか皆目わからなかったものです。
日本だけでも行方不明者が少なからず出たものですが、世界に視野を広げてもそういうことが世界中で起っていたことなど、知る由もありませでしたね。
北朝鮮による拉致だけでは説明がつかないことかもしれません。
次元の割れ目は現実のことかもしれませんね。
そうしたこと、特に魔のトライアングルが大きな話題になっていた頃、ウルトラQも最終話に近づいていました。
元々アンバランスゾーンに根をおいて作り上げてきたのがウルトラQでしたから、そうした四次元空間に迷い込むことがネタとなったことは不思議なことじゃなかったかもしれません。
ウルトラQ最後の怪獣となったトドラ登場の話は、そこに注目してネタとした脚本家がいたという事になるのでしょう。
黒雲がわいて、、、という展開は、またぺギラ登場かとも思いましたけど、超音速旅客機がその黒雲の中に突っ込んでいってしまう始まりは、魔のトライアングルを想像させるには十分なものでした。
四次元空間という時空の裂け目については全く解明されておらず、そこに入り込んでしまった後のことは想像するしかありませんでしたから、物語の後は底浅いものとなってしまいましたけど、これは仕方のなかったことでしょう。
トドラは海の王様セイウチのような大きな牙が生えており、その姿はトドというよりオットセイというかアザラシのようでいて、いずれにしても海の生物が空に浮かんだ黒雲という不思議さは、訳の分からない四次元空間をアンバランスゾーンとして演出したかったのかもしれません。