オコリンボール②
「コブ怪獣 オコリンボール​」

オコリンボールを見てると、どこかでウルトラセブンの幻の宇宙人となってしまったスペル星人を思い出すことがあります。
スペル星人は、放射能を浴びたせいで全身の体毛が失われケロイド状の皮膚となってしまい、この状況を破るために地球人の若い血を求めて地球に飛来した吸血宇宙人でした。
被爆の影響で高田がむき出しになってしまったところ、顔面が丸く球体のようであることと吸血能力がどこかに残っていて、オコリンボールを見た時に脳裏に浮かんだものと思います。
スペル星人は顔面の球体のイメージが大きかったところ、オコリンボールは核となるマザーボールが小ボールを引き付けて出来上がった群体怪獣ですが、球体、つまりボールが集まって怪獣化したものです。
名前は思わず笑いでも誘っているのか、という感じですけど、昭和の古き良き時代の怒りん坊って、紅く湯気が上がるような丸い顔が想像されますから、まったくオコリンボールと無縁というわけでもなさそうですね。

怪獣としてもテニスボール状の小ボールとバスケットボール状のマザーボールが高速で移動し、吸血し、さらに増殖そして巨大化していく様は際限のない感じがよく出ていました。
マザーボールは小ボールと群体化してしまうと怪獣化し、赤色破壊光線を打ち出すようになり、打撃攻撃ではまるで身体が離合集散し、また群体化してより強力となってしまうという生き物としてはキリのない怪獣のようでもありました。
群体化する前でも大量の小ボールが吸血行為を繰り返してましたから、被害を受けていた人間側もそれなりに反撃に出ていましたけど、何しろ手におえそうもない数でしたし、核となるマザーボールを見つけないことにはということで、それを察知したマザーボールが小ボールを呼び寄せて怪獣化してしまったわけです。
知能というより本能のレベルが高い怪獣で、群体化してもボール状であることに変わりはなく、身体が打撃を無効化するような柔らかい身体だったこともあって、さしものウルトラマン80も策士有無光線すら通寄せずに大苦戦していましたね。

オコリンボールは怪獣然としていますが、時代が違えば巨大エイリアンの範疇に入りそうな生物の走りだったかもしれません。
その名前とは裏腹に、とっても面白かった怪獣の一つでした。
オコリンボール③