「大幹部・ゼロ大帝」
仮面ライダーアマゾンに敵対した組織はゲドンであり、ガランダー帝国でした。
この2つの組織は、頂点に立つ者の存在が感じられませんでしたから、ゲドンは十面鬼ゴルゴス、そしてガランダー帝国はゼロ大帝の存在が際立ち、首領とか支配者のようでもありました。
ガランダー帝国の最後には真のゼロ大帝が登場し、実は彼こそがゲドンとガランダー帝国の首領であり、ゼロ大帝はいわば影武者ということが分かりましたから、ゼロ大帝は限りなく首領に近い大幹部だったんだろうなという想いが出ました。
ゲドンが古代インカ文明の影の組織なら、ガランダー帝国は古代パルチア王朝の末裔であり「全能の支配者」を名乗ったゼロ大帝が率いた組織で、言ってみれば紀元前にイラン高原を中心にユーフラテス河北部に栄えたパルチア王朝の末裔たちがゲドンを飲み込んで編成された組織だったのかもしれません。
しかし、後にこのガランダー帝国もショッカー等々歴代の秘密結社の首領は暗黒星団からやってきた宇宙生物でしたけれど、ゲドンやガランダー帝国は一線を画していたのかもしれません。
大幹部になる人物は日本にやってくる前に力を発揮して存在感を明確にし、その手腕を首領に買われ、どこかで親交があったと思われますが、十面鬼ゴルゴスやゼロ大帝にはそうしたことを感じません。
古代文明の末裔という共通点があった十面鬼ゴルゴスやゼロ大帝は、存在自体が異色だったこともありますが、そうしたことがなかったからこその古代文明の影の勢力だったと言えるのかもしれません。
おそらくゼロ大帝は十面鬼ゴルゴスを意識し、ゲドンの行動を影で観察していて自分たちが躍り出るのをゲドンの行動と並行して秘密裏に行っていたのでしょう。
それもゼロ大帝の絶対的な存在力が、ガランダー帝国を強力に存在させたという事なのかもしれません。
冷酷かつ残忍な性格というのは、それまでの秘密結社の大幹部にもいましたけど、ゼロ大帝はそれまでのそうした大幹部とはタイプが違っていたようです。
十面鬼ゴルゴスと同様、仮面ライダーアマゾンのギギの腕輪を狙うことは同じながら、そこにイタズラに固執せず、目的はもっと上のところにおいてそのためのカギとしてギギの腕輪を置いていたこと自体が、見た目と違って冷酷かつ冷徹であり、計画性があったと思えるところです。
力があったこと自体も確かなことです。
これは十面鬼ゴルゴスが倒されたと同時にガガの腕輪を継承したからに他なりませんが、ゼロ大帝が常に携行していた槍から火花状のビームを発して処刑の武器するだけではなく、アマゾンのギギの腕輪の波長と合わせアマゾンの変身を妨害するという隠された能力も持っていたことに現れています。
悲しいかな、ガランダー獣人はゲドン獣人の能力を上回った者の数が少なく、自分の側近に信じられる者、或いは自分を継ぎサポートできるものが皆無だったことでしょう。
特殊能力を持ち、仮面ライダーアマゾンの登場を妨げることが出来ながらもう一押しできなかったのは奏したところもあったでしょうけど、大幹部とはやっぱり孤独なのかもしれません。
ガガの腕輪とギギの腕輪の秘められた能力を把握せず、うわべだけを取り繕ったような作戦を遂行したことは、意外と洞察力に欠けていたのかもしれません。