バキューモン①
「暗黒怪獣 バキューモン」

これを怪獣という生き物として扱っていいんでしょうかね。
惑星を食べながら無限に大きくなる、そこには解呪としての意思があったということなんでしょうけど、こういう次元の怪奇現象を怪獣うとして扱うには、時代が早すぎたと思いますね。
帰ってきたウルトラマンがウルトラ戦士として格段に強力になったのは、ウルトラセブンによってもたらされたウルトラブレスレットによるものでしょうけど、そのウルトラブレスレットに焦点あて、返ってきたウルトラマンの強さを際立たせようとしたこの企画にはやっぱり無理がありました。
ウルトラQの時代にバルンガという動力エネルギーを吸収することでいくらでも大きくなる怪獣がいましたけど、バルンガは当初小さい生命体であるところから始まっていたところに、怪獣としての在り方の意味がありました。
怪獣に小さい大きいあまり関係なく、怪奇な獣であることが重要です。
バルンガに定型の大きさはなくいくらでも大きくなってしまうところに怪獣としての面白みがあったわけです。
でもバキューモンは最初から惑星どころか星座まで飲み込んでしまう無限の大きさで、しかもそこには生き物の意思があるように惑星や星座を飲み込んでしまうという具合でしたが、これは宇宙空間に広がる宇宙特有の怪奇現象であって、確かに怪奇的ではありましたけど、獣の行為ではありませんでした。

怪奇現象の犠牲になってしまったのが北斗七星やかに座であり、そこから逃れるようにザニカがやってきてしまい、それを救うべく帰ってきたウルトラマンが向かっていったという具合になろうかと思います。
バキューモンを無理やり怪獣として扱ってしまったために、ウルトラブレスレットの変形であるブレスレットニードルでバキューモンの体内を突き刺したような描写がありましたが、これは怪奇現象の総称をバキューモンとし、ウルトラブレスレットを始めとした帰ってきたウルトラマンの超能力がまたもや覚醒して、その怪奇現象を胡散霧消させた方がよかったのかもしれません。
バキューモン③