ヒュドラ⑥
「水蛇ヒュドラー」

武器となる特殊能力がとにかく多いGOD改造人間でした。
腰に据えてあった柳葉刀。
口から噴く青い溶解霧。
敵を締め上げる大蛇。
トカゲを操る能力やトカゲをくっつけて瞬間移動させる能力。
身体を液化させてどんな隙間でも忍び込む能力。
首を切断されても元通りにくっつけてしまう再生能力等々。
最大のポイントは胴体から頭部を吹っ飛ばされても再生してしまう能力でしたね。
ギリシア神話においても最大だったかもしれない化け物で、ギリシア神話では9以上の頭部を持ってその中心の頭部は不治のものとされていましたが、さすがに仮面ライダーX放映当時の技術ではそこまで再現できなかったようです。
しかも、ギリシア神話上のヒュドラーの頭部は切られても吹っ飛ばされてもまた生えてくるような再生能力でしたけど、仮面ライダーXにおけるヒュドラーは、胴体と頭部が別に作られていて、磁力でくっついている感じがしてました。
ヒュドラーの胴体における心臓で音波を飛ばし、頭部を操っていたかのようで、この辺りにモチーフはギリシア神話上の化け物でありながら実は改造人間たるメカが内蔵され、それで再生能力を始めとした能力が作動していたものと思われます。
口から噴く青い溶解霧には叶い濃度の濃い毒素があったと思われますが、ギリシア神話上のヒュドラーの猛毒は解毒することができないほどの猛毒であり、体中からにじみ出ていたとは神話ならではのことだったのでしょう。
現実の世では濃度の濃い毒素は作れても解毒できない毒素は夢物語ですから、それをGOD改造人間にもたらすのなら溶解液としての表現になってしまっていたのかもしれません。
仮面ライダーシリーズは、一部の例外を除き、目に見えない部分でのメカニック作用での超能力が敵味方を問わずに発揮されていましたから、ここに神話的要素を持ち込もうとするとそれこそ空想上の神物語的なものとなってしまって無理が出てしまいますから止む無きことですね。
ヒュドラーに限りませんけど、こうした改造人間は仮面ライダーと戦うことが前提とされた勧善懲悪においての設定でしたから、超能力が多いと表現するだけでうまく使いこなせないということになります。
ヒュドラ⑦
見た目、結構な傑作怪人でした。
胴体と頭部のくっつき具合に特徴があって、Xキックを喰らっても吹っ飛んだヒュドラーの頭部は爆発もせず、胴体に戻って再生してしまうのは身体の屈強さもあったのかもしれません。

メカの中心が胴体の心臓部にあったために、胴体にXキックを喰らって体内メカが耐え切れず爆破してしまったことでヒュドラーは最期を迎えますが、使いきれなかった能力の多さはあったものの、ライドルロングポールが出てみたり、仮面ライダーX のライダーショックというバリアが出たり、弾丸に耐えてしまう仮面ライダーXが表現されてみたりと、見どころも多かった話でした。
ヒュドラ