ムカデリヤ①
「ムカデリヤ」

大戦時の兵器を作り出した科学者の中には、過去に例を見ない天才肌の科学者がいたのかもしれません。
昭和の時代に描かれたウルトラマンや仮面ライダーの中には、そうした存在にフューチャーされて設定されたものもあって、そういう意味ではまだ戦後は続いていたのかもしれません。
仮面ライダースーパー1でムカデリヤが登場した話では、そうした科学者は処分されて何故か脳だけが保存され、それをなんとドグマが盗み出して蘇生させるという暴挙に出ていました。
これは得も言われぬ兵器を作り出した科学者の脳について、兵器を作り出したことだけにドグマが注目していた末に起こされたことだろうと思います。

いわゆるスーパー兵器で倫理観など越えてしまう様なものを作り出してしまう科学者は、どこか狂っていて端からでは分からず、理解不能なことを考えているものだと思います。
この科学者は人間を笑い死させる恐怖の毒ガス「Rガス」を作り出し、それをムカデリヤに仕込んで散布しようと画策しました。
これはドグマの狙いでもあったわけですが、ドグマはこの作戦で人類を死滅に追いやり世界征服を画策しようとしてその科学者を脳だけから蘇生させ、その作戦の遂行上、一つの手段方法としてムカデリヤを作り出したわけです。
ドグマが大きく抜けていたのはこの科学者の脳の中には兵器を作り出すことだけが詰まってたわけじゃなかったところにあって、「Rガス」を発明、その効果を知るところとなって、その作戦以上の行動に出ていました。
当時のドグマの大幹部は目ガール将軍であり首領はテラーマクロだったわけですが、この二人を亡き者にしようとしてムカデリヤを取り込んでしまいました。
ドグマもただの暗黒結社ではなく、それを見越していたのはさすがでしたけど、悲運だったのは科学者に取り込まれていたムカデリヤでした。
上司であったメガール将軍やテラーマクロの転覆をはかろうとしたのは紛れもない事実で、悪の組織のによる改造自体が完全に済んでしまった改造人間の組織の裏切りは、ゲドンの時のヘビトンボくらいしか思い浮かびません。
組織を裏切り追いつめられ、仮面ライダースーパー1には倒されようとする状況は科学者に丸め込まれていたとはいえ、自分の意志と行動で作ってしまったものであり、ここまで追い込まれればいくらムカデムチや毒素の仕込まれたトゲ毒針やトゲ爆弾を持っていた上に「Rガス」が体内にあったとはいえ、倒されていくのはある意味自滅だったのかもしれません。

上司に逆らう悪の組織の改造人間という意味では貴重な存在だったかもしれず、ドグマ改造人間に仕込まれていたはずの「服従カプセル」も、改造の具合によっては間違いが起きてしまい、ほとんど無意味なものとなってしまうことをムカデリヤで表していたのかもしれません。

しかし、デザイン・造形がいい改造人間でもありました。
ムカデリヤ②
ムカデリヤ⑥