モモンガー獣人③
「モモンガー獣人」

モモンガと似たムササビは、時に悪の秘密結社の改造人間の素体として使われていました。
ムササビードルとか木霊ムササビとかね。
でもモモンガを使った改造人間は、このモモンガー獣人が初めてだったかもしれません。
ムササビよりも小型だったモモンガは、リスのような感じがしますが、立派な哺乳類だったと思われます。
ムササビが改造人間の素体として使われたのは、古来からの伝承によるものが大きいでしょうけど、単にモモンガの方が人里離れたところに生息し、謎が多かったためかもしれません。
ムササビにしろ、モモンガにせよ、可愛らしい空飛ぶリスのような小動物を人間大の大きさで全くの悪役に仕立て上げていたことは、なかなか表現しずらいところがありました。

モモンガー獣人はモモンガが素体ですから、滑空能力がありました。
身体中から強烈な殺人ガスを発し、時には滑空する翼のようなところに爆弾を隠し持っていました。
これは見た目とは全くの裏腹ののうりょくであり、どこかムササビードルを思い起こされます。
人体のほとんどを溶かしてしまう殺人ガスを有しながら、インカ秘術の産物であった「インカリヤ」という毒ガスの争奪戦がモモンガー獣人登場の話のキモでしたね。
かなり前に見た話なので、モモンガー獣人の殺人ガスと「インカリヤ」が同一のものだったかどうかは覚えていません。
しかし、ショッカー改造人間のピラザウルスのように、猛毒ガスの使い手であろうとすると改造人間の肉体の強烈さが必要となり、それは作ろうと思っても作り切れるものではないものです。
「インカリヤ」の毒ガスとモモンガー獣人の殺人ガスは別物だったと思われますが、同じ毒ガスを一つは改造人間の武器として、もう一つはガランダー帝国ですら恐れた古インカ秘術の産物として登場させてしまったことは、どこかまどろっこしい感じの物語となってしまいました。
「インカリヤ」という猛毒ガスをモモンガー獣人の滑空能力でばらまく作戦はいいとして、その猛毒ガスの解毒剤はガランダー帝国ですら製造できなかったんだろうなということは容易に想像できます。
世界征服を目指すのがガランダー帝国の目的であるならば、「インカリヤ」という古代インカ秘術の産物はガランダー帝国と言えど、手を付けてはいけなかったものだったかもしれません。
古代インカ文明の大いなる力は、仮面ライダーアマゾンのギギの腕輪、十面鬼ゴルゴスから伝わってしまったガガの腕輪で仮面ライダーアマゾンもガランダー帝国もわかっていたと思われますからね。

「インカリヤ」の恐ろしさはそうしたモモンガー獣人や仮面ライダーアマゾンが、推し量れないところに恐ろしさの極みがあり、何も知らない立花藤兵衛が「インカリヤ」が含まれた人形を火の中に放ってしまったところにその人形が燃え尽きてしまうか否かの時間との勝負がありました。
だから、決め技は「大切断」ではなく、珍しい「アマゾンキック」だったんでしょうね。
とっても見応えがあったラストでした。
モモンガー獣人⑤
モモンガー獣人