「大幹部ブラック将軍」
ショッカー・ゲルショッカーの歴代大幹部は皆、改造人間でした。
ショッカー・ゲルショッカーは元々大首領の元、改造人間の暗躍によって世界を征服しようとした秘密結社ですから、大首領の意を受ける大幹部は配下の改造人間以上の能力と悪辣さを持っていなければならないとすると大幹部もまた改造人間であったのは当然のことでした。
大幹部ブラック将軍の本来の姿はヒルカメレオンでしたが、生き血を吸い、それを仮面ライダーに敗れた改造人間に注入することで再生させることを自らの能力としていたことからも、生き血が好物だったはずです。
悪辣・辛辣な軍人は地を見ることを何よりも好むという事からも分かるように、ブラック将軍は元々ロシア帝国の軍人だったらしいですね。
ロシア革命によって国を追放され、流れ着いたのがアフリカ奥地のゲルダム団。
知る人ぞ知る魔境であり、生き血を獲得して残酷な世界をイメージ的にも作り上げていたその存在はまるで人知らぬ裏の世界の存在でした。
降伏している相手を嬲り殺しにすることがブラック将軍の元々の好みであり、しかも軍人として作戦の立案と行動力の強さは、作戦自体難攻不落の要塞のようであり、ブラック将軍の存在感は悪い意味で強まり、恐れられたものであったことがゲルダム団という暗黒宗教で魔力を大いに使うような秘密結社と結びついた感がありました。
しかし、ロシア革命によって転覆したロシア帝国は1917年までの帝国であり、一説によると日露戦争でも暗躍していたということでしたから、ブラック将軍はそれまでの、そしてそれ以降の大幹部の中でもかなりの高齢だったことが伺われます。
冷酷無比で悪辣、生き血を見ることを何よりも好む高齢の軍人だったということは、高齢でありながら世界征服の方向へ向かうとなれば後ろ盾が必要だったことが伺われます。
長く仮面ライダーが大きな障壁となっていたということはショッカーの組織を組織だって大きく変える必要があり、それには外部の力が必要だったと思われたところにゲルダム団の存在を知れば、その中心人物を分析して利することがショッカー首領の大きく望むことだっただろうと思います。
ゲルショッカーはゲルダム団+ショッカーではなく、ゲルダム団がショッカーを飲み込み、改造人間をもって世界を征服しようとしていたことだけが残され、首謀者は大首領だったということを共通の焦点としていたことから、ゲルショッカーとなり、自らもそうであったように改造人間も2体の動植物の融合改造人間であったことはブラック将軍の発案でした。
そうであることで多くの生き血を見、利用して組織を強くさせようとしていたんでしょうね。
規律と統率のゾル大佐、生体改造力と魔術の死神博士、指揮力と現場主義の地獄大使ときた中で人間体でもスティックや鞭を持った大幹部はいましたけど、肉体の一部が武器化した初の大幹部がブラック将軍でもありました。
左腕の肘から先がドリル化しており、右手に持ったスティックと共にこれがブラック将軍の武器かとも思いました。
このドリルは登場間もなく取り外されてしまいましたが、この時の印象は後々まで残るものともなり、作戦の立案とその実行は幾重にも構えられていたことを思うと流石に暗黒組織の指揮者だったことを思うと、現場に赴く前に作戦の立案とその実行、そのための改造人間創出でドリル状の腕先を使う場面がなかったのでしょう。
ブラック将軍の奥深い作戦については初登場時のゲルショッカー出陣式に仮面ライダー新1号と滝をおびき出して翻弄し、ショッカーライダー6体の登場でアンチショッカー勢力を一網打尽にしようとしたときにショッカーライダー以外にも3体の改造人間を絡ませ作戦を幾重にも構えて仮面ライダー1号だけではなく仮面ライダー2号も亡き者にしようとし、更には自らがヒルカメレオンであることを漂わせながら自らを犠牲にしてまでも再生改造人間軍団によって仮面ライダー1号、2号を翻弄しようとしていたことを思うと、さすがに秘密結社の軍人出身の大幹部だったと思わされました。
もう一つ、隠されながらも決め手になるような戦闘力があれば、、、それは無いものねだりを感じさせる大幹部だったという事なのかもしれません。