「仮面ライダーspirits~孤独・新たなる鼓動・皮肉という肖像」
考えてみれば人の肉体の筋・肉・骨等を強靱化するために切り刻むことなどとんでもないことです。
人であるならば考えつかなそうなことで、これを実行してしまった秘密組織はショッカーから始まりますが、この組織を作った者は人間じゃないということ、人の体をよく知る者、そして洗脳脅迫が持つ武器能力の大きな一つだということですかね。
洗脳しきれなかった改造手術者がショッカーから脱出したことで本郷猛は思いだけが人間であることに留まりましたが、その科学者は自ら犯したことの罪に苛まれ、脳だけが人間であり肉体は化け物同様となってしまった本郷猛は、人間であるフリをしなければ生きていられませんでした。
そうした犠牲者を生むショッカーは、それこ突飛過ぎて秘密結社であることを建前としてる限り犠牲者親族がいくらアピールしようと世間は知らずに時が過ぎるところでした。
戦うことで自分の存在意義を知ることに気づいた本郷猛は、孤独に戦い続けなければいけませんでしたが、それがショッカーと戦う風となることでそれが自らを化け物同様としてしまったショッカーへの抵抗であり、人類の実は大きな味方となっていたことが真実だったと思いますね。
孤独であることは地獄の苦しみであり、理解者はいれどこればかりはどうしようもないことだったものの、そうした本郷を追う者がいました。
それが一文字隼人だったわけです。
設定上はフリーカメラマンでしたから、戦場カメラマンのようなものかと思いましたが、ショッカーによるテロ行為を目撃してしまったことでショッカーを追うようになり、その中で仮面ライダーに出会ってしまいます。
これは目撃してしてしまっただけですが、一文字の興味心をそそりました。
それが蝙蝠男の頃であり、サラセニアンの頃でようやく出会う音になっていたこととは思ってもいませんでした。
公式設定ではバイクレースの中でのカメラマンであり、その中で本郷と知り合いになっていたということでしたので、思い切った展開だなと思いましたけど、この方が自然な流れでしたね。
唯一の抵抗勢力となってしまった仮面ライダーに対してショッカーも黙ってみてたわけではありません。
ゲバコンドル戦の時に、別の場所で抵抗勢力を罠にはめて一掃しようとしたときに一文字の存在を知り、同時に首領の狙っていたレベルアップした改造人間を死神博士が作り上げていました。
新型仮面ライダーともいうべきこの存在は、脳改造まで施されていたために死神博士のいいなりのような存在でしたけど、俗にいうところの偽仮面ライダーでしたね。
ショッカーが作り上げたこの新型仮面ライダーは一文字を含めて全部で6体。
脳改造寸前に本郷が手術室にたどり着いてしまったために、脳改造が施されず、一文字もまた本郷と同様の苦しみ・孤独を味わうこととなってしまいました。
それでも先行した本郷がいてくれたために自分の存在意義を知るまでに時間は要さなかったみたいですが、脳改造が施されていなかったばかりに脳神経と改造されてしまった肉体が結びつかず、戦う中での苦しみ、痛みのようなものが少しずつ自我を取り戻していったようです。
本郷が孤独から抜け出すまで意外と時間がかからなかったみたいですけど、その間には一文字という犠牲がついていました。
これはもちろん本郷の意思でも一文字の意思でもなく、あくまでショッカーの悪業の犠牲の上に成り立ってしまったことですが、こういう展開だったからこそ、本郷と一文字の結びつきは深く、後にダブルライダーと呼ばれる所以になったのでしょう。
正式な物語の序章はここまでで、すべての始まりはここからだったということかもしれません。