「ヒーターゼミ」
カマキリメランとの共同作戦を敷いたのは、デストロンの新兵器ミイラビールスという細菌兵器の展開上のことでしたかね。
いわば東京全都民ミイラ化作戦といったところでしたけど、その最近は東京中の貯水タンクにミイラビールスを混入させる作戦で、それは人の渇きを誘うことが最もビールス注入の効果を上げるとのデストロンの考えで創出されたのがヒーターゼミでした。
ヒーターゼミの目の中に張り巡らされていた熱線のような電動器具に高圧電流が通ることと、それに裏打ちされたようなヒーターゼミの鳴き声が、それを聞いてしまった人々の渇きを誘い出し、ミイラ作戦の効用を上げようとしていました。
まったく、デストロンとは様々な細菌兵器や細菌の効果を上げる改造人間の創出を上げる研究成果の天才のような組織でした。
蝉と効けば、夏の風物詩のような昆虫で、その鳴き声どころか蝉のいる光景を考えただけでも喉が渇いてしまいそうですが、ヒーターゼミの創出はそれを現実化したようなものだったと思います。
ヒーターゼミの外的戦闘能力は手の甲からのロケット弾でしたけど、この人の喉の渇きを誘う能力に最大の特徴があり、渇きを誘う一環となった目の熱線のような電線穂の高圧電流が実はこれが元ヒーターゼミ全身の高熱化となり、発火して体当たり攻撃をすることが出来たという裏設定が披露されていれば最大の攻撃能力となっていたでしょうね。
ヒーターゼミの外見を見てると、同じデストロン改造人間のレンズアリを思い出しますけど、ヒーターゼミといいレンズアリと言った機械合成改造人間たちは、その持っていた能力がすべて最大に効果が出ていたことは少なく、それに対抗した仮面ライダーV3の力ばかりではなく、改造人間たちの特徴を生かした作戦遂行の立案自体の内容に問題があったとみるべきかもしれません。
各改造人間には人間としての個性が出てしまうようで、それが実は問題だったと思いますけど、ここまでデストロンの特徴の一つであった機械合成という観点が最優先されてしまい、改造人間というに人間であったという観点が抜け落ちていたとみるべきかもしれません。