「タイホウバッファロー」
デストロンの機械合成改造人間は、大幹部ドクトルGの正体だったカニレーザーまででした。
何かしらの機械・メカなどを改造人間の主武器・主能力とした機械合成改造人間は、機械の部分が目立ちながらも見た目にそれほどの不自然観がない立派な改造人間だったと思います。
機械の部分は考え方次第の使われ方で、攻撃していく上での主武器がこれだと思うと、強く記憶に残る改造人間もいました。
仮面ライダーには映画も作られ、映画だけに登場する改造人間もいれば、TVと映画両方に出てしまう改造人間もいました。
確かにTVで大ブームを起こしていたのですから、TVも無視できませんが、今と違って当時は劇場に行かなければ映画は見られなかったのですから、仮面ライダーを映画としてやる場合は登場する改造人間も物語も映画オリジナルであってほしかったと思います。
仮面ライダーV3でも、TV版第2話が映画として取り上げられましたが、オリジナルのものもあり、その映画のメインだった改造人間がタイホウバッファローでした。
このタイホウバッファローを見ると、どうしてもカメバズーカを思い出します。
いずれも大砲とバズーカ砲という強力な火器を背負い、どちらがより強力だったのかは分りませんが、カメバズーカが背中にバズーカ砲を1門抱えていて、戦闘員の補助を必要としたこともありましたが、単独で打つことの方が多く、命中度はさほど変わらなかったと思います。
それがタイホウバッファローとなると大筒である大砲2門でしたからね。
1門でも破壊力が凄いところ、それが2つあるわけですから、まともに食らえばいくら仮面ライダーであろうとも木っ端みじんになってしまっただろうとも思います。
ただ、タイホウバッファローはその2門も大砲を両肩に担いでいたこともあって、命中度という意味においては戦闘員の補助がないと正確さが落ちてしまい、単独で打つと乱発であり命中度は落ちていましたね。
基本はバッファローということだけに大砲を打つ衝撃に耐えてしまう身体の強さがあり、身体が強固であったカメバズーカを上回っていたと思いますが、身体が重く、小回りが効かないこともあって距離を置いて戦う戦法をとっていたことはカメバズーカと同じでした。
タイホウバッファローとその物語は、幻の放射性元素であったサタンニウムの在処を巡る攻防でしたけど、サタンニウム自体は四国山地の中にあるとされていましたから、サタンニウムの在処を探る展開は配下の機械合成改造人間に任せ、大砲を持っていただけに四国山地の爆破に本来はその役目があったと思われます。
面白かったのは裏設定で、タイホウバッファローの設定と創出自体が、実は水瓶に乏しい四国に山を切り崩してダムを建設するためにデストロンの科学者であった結城丈二の発案にあったということで、恐ろしい爆破能力を持つタイホウバッファローという改造人間の創出自体が人体の改造を伴うという実は非人道的なことであったということでした。
タイホウバッファロー自体は、豪放磊落に見えて実は親分肌でもあり、映画だけあってまさかの仮面ライダー1号・2号の登場もありましたが仮面ライダーV3も含めた3人の仮面ライダーはタイホウバッファローの目の前でその配下にあった再生改造人間を駆逐していきましたけど、再生改造人間が多数あっただけに知らず知らずに押していきながら状況がジリジリとしたものだけあって、大幹部ドクトルGがタイホウバッファローに一斉射撃を命じ、タイホウバッファローがその命に対して今攻撃したら配下の再生改造人間が全滅してしまうというところに、そういう親分肌の一面が出ていたと思います。
上司の命は絶対であり、それが秘密結社デストロンにおいては尚更です。
戦意を消失したわけではないでしょうけど、タイホウバッファローの気が削がれたことも事実だったように思われ、結局は仮面ライダー1号・2号のライダーダブルキックで勝負をほとんど決していたところにV3キックを喰らってしまっては、いくら強固なタイホウバッファローと言えど倒されて止むなしだったのでしょうね。