豪島⑤
「豪島」

仮面ライダーは改造人間であるというところから始まった世界には、様々な暗黒秘密結社が出てきました。
秘密結社ごとに作り出される改造人間の形態が異なっており、それは発展的に変わっていったのかというとそれだけではなく、コンセプトが微妙に変わっていたという印象です。
それは時として改造人間ではなく、怪人となってしまうこともありましたし、宇宙から飛来した者もありました。
でも、昭和の仮面ライダーの魅力の一つに共通していたのは敵も正義のHEROも改造人間であったという点でした。
その改造人間というのは仮面ライダーが始まって間もない頃、生体兵器ではないのかという疑問にも似た感じがありました。
どの仮面ライダーを見てもいつも付き纏っていた生体兵器という感じは、その言葉の中に兵器という者が入っていたからこその抵抗感だったのかもしれません。
リアルタイムで見ていた時、仮面ライダーは大人向きのものでありませんでしたからこの抵抗感は薄れたのではなく隠れてしまったということで、それでよかった思います。
しかし、時を経て時代が進化していくと、こういう改造人間というモチーフを大人の視点からとらえたらどうなるのかということが描かれるのは時間の問題だったのでしょう。
そこで登場したのが「真・仮面ライダー」でした。

「真・仮面ライダー」そのものも生体兵器であり、敵組織であった「財団」の作り出していたのも生体兵器でした。
ここに改造人間=生体兵器ということがひょうげんされることになりましたけど、そこには遺伝子工学とロボット工学という科学力が導入されていました。
いわゆる改造兵器レベル2というのに、豪島が相当していたようです。
遺伝子操作レベルで強化された人体にメカ(機械)を持ち込んで更に強化したものらしいですね。
豪島は「財団」首謀者のボディガードをしていた時は、迫力があり威圧感と不気味さが同居していた人間の姿でした。
それが姿を現すと、皮膚に隠れていた筋肉がむき出し状態でそれを支える骨とメカ部分が顕著となり、末恐ろしい感じのものでした。
常人の力と能力など、モノともしない怪力と強力さは、その無表情感と相まって前面に怖さが出ていました。
通常兵器やロケットランチャーすら問題としないこの豪島の身体は、これでレベル2なのかと思わせました。
しかもその能には、機密保持のため生命活動が一旦停止し、一定の時間が経過すると作動する爆弾が組み込まれており、敵と共に自爆させる能力があったらしく、真・仮面ライダーもその犠牲になるところでした。

この豪島は、財団の首謀者の意思と連動していたらしく、その首謀者が真・仮面ライダーによって惨殺されると突如として滅茶苦茶な行動に出ていたのは支持者が不在になってしまったことによる混乱であり、それはメカに強化を頼っていた部分と、まだ発展途上の生体兵器だったことの現れだったのかもしれません。

しかし、改造人間として始まったコンセプトを生体兵器に解釈するには時代が速すぎたのかもしれません。
想いはその境地に辿りついていても、表現技量が追いついていなかったというのが正直な印象でした。
以前、子供の頃に夢中になってみていた仮面ライダーという物語が、こういう解釈もできるのかという意味では大きかったかもしれません。
でも、表現使用がもっとクリアであって欲しかったのは言うまでもないことです。
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真・仮面ライダー 序章 S.I.C. 仮面ライダーシン

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