
「真のゼロ大帝」
戦国時代の武将は影武者を使って、真の姿を隠していたという用心深さを見せた者がいました。
仮面ライダーアマゾンの世界は古代インカ文明、それにパルチア王朝の医療技術を始めとした今とは次元の異なる科学力を背景にした世界でしたけど、こうした世界も戦国武将の時代も用心深さをより深く見せた者が支配しようとした共通点があったようです。
ゲドンは仮面ライダーアマゾンと同じイ古代インカ文明という同じような土俵の中での科学力でしたけど、それを知るガランダー帝国はパルチア王朝の末裔が作り上げようとした世界であり、しかし、古代インカ文明の悲劇を弁えて同じ轍を踏むことなく、それでも古代インカ文明の肝の魅力を意識して、世界征服を目指した闇の存在だったような気がします。
ゲドンの首領と目された十面鬼ゴルゴスの末期を利用して陽の当たる場所に出てこようとしたガランダー帝国は大幹部の一人と目されたゼロ大帝が、十面鬼をはるかに凌駕する存在であったのは、戦国武将のように影武者を使っていたことにも表れていました。
その存在感は、指示指令が部下を利したものであることを気取られることないものであったことと、実は底知れぬ能力を秘めていたように見えたことで現場に出ることがなかったことで、余計に増長してたように見えました。
ガランダー帝国の支配者はゼロ大帝とは別物だったように見え、仮面ライダーアマゾンですらそういう具合に見えていたと思います。
この支配者に謁見できたのはゼロ大帝だけのように見えましたけど、仮面ライダーアマゾンの前の仮面ライダーXが戦ったGODも、その総司令に謁見できたのは大幹部アポロガイストだけだったという構図に似ています。
しかし、実は真の支配者は真のゼロ大帝であり、白銀のようなマントに身を隠し、それまで姿を見えせていたのはゼロ大帝の影武者だったというは意外中の意外でした。
白銀のようなマントに身を隠していたのは仮面ライダーV3の戦ったデストロンの首領がそうでしたし、支配者と謁見できたのはGODに似ています。
闇の秘密結社の頂点も時が進むうちに、それまでの秘密結社の在り方を学んでいたという事でしょうか。

ゼロ大帝の持っていた槍の矛先からは「青い雷」と呼ばれる火花状のビームを発していましたけど、これは仮面ライダーアマゾンの変身を解除してしまうもので、それだけ古代インカ文明の医療術を弁えていたとみることも出来るでしょう。
理屈が通らない高い科学力は仮面ライダーアマゾンですら分からず、どこかその粋であったギギの腕輪に頼っていたところもありました。
けれど、このギギと腕輪とガガの腕輪が合わさった時、古代インカ文明の超パワーが発動し、ギギの腕輪とガガの腕輪がそのため引き合っていたことまでは、真のゼロ大帝でも見通すことが出来なかったようです。
自ら立案し実行しようとした作戦も古代インカ文明の真の力である超パワーの前では、自分に帰ってきてしまい、スーパー大切断で倒されてしまうのもそこまで理解できなかった真のゼロ大帝の当然の帰結だったかもしれません。
ただ、歴代秘密結社の大幹部以上の展開と結末であったことは言うまでもなく、今の世界の理屈理論が通用しない別の世界を意識させるものでしたし、これが後のデルザー軍団まで繋がって行ってたんでしょうね。
