「コウモリフランケン」
自分が幼少の頃の怪奇人間としては、吸血鬼ドラキュラ、狼男、そしてフランケンシュタインがいました。
どれも怪奇色というよりは思い切りホラーで、子供心ながら怖くて仕方がなく、そっれでも気になって顔を覆った手の指の間からやっと見ていたことを思い出します。
ドラキュラも狼男も元は言えば人間でしたが、フランケンシュタインはフランケンシュタインを作り上げた科学者自身が狂気の科学者でフランケンシュタインは人造人間でした。
雷鳴轟く雷の力。エネルギーでグランケンシュタインが稼働したように、コウモリフランケンも雷の力で稼働し、地をワイン替わり飲んで活動エネルギーを得ていました。
仮面ライダーシリーズの改造人間は、その改造素体の一つが人間でしたから、狼男なんかが改造人間となり、ドラキュラの吸血行為が改造人間の特徴の一つとして描かれるのは分りましたが、コウモリフランケンの素体となったフランケンシュタインは人造人間という云わばロボットのような要素が強かったものですから、このフランケンシュタインを人間として扱い、フランケンシュタインのように雷の力で動き出したところには、狼男やドラキュラの時には感じなかったかなりの違和感がありました。
しかも、このコウモリフランケンはコウモリの能力も移植され、そのためか翼をもって飛行能力を有していたこととその2本の翼の間に埋め込まれるように大砲があったことが、大きく最大の特徴でした。
この頃の仮面ライダーは仮面ライダーXであり、愛車クルーザーを駆らなければ空中戦はできず、どうしても飛行能力があって、その飛行速度の高い改造人間に苦戦していたことは、神話改造人間イカルス戦を見ていただけでも分ることです。
そこに射程距離が長い大砲の砲撃があったものですから、仮面ライダーXも逃げ回るしかなく、コウモリフランケンの能力が仮面ライダーXの能力を上回っていたとは思えませんが、よく研究した上に想像された改造人間だったと思いますね。
コウモリフランケンはそれでいて小型蝙蝠を使っての諜報活動もお手の物だったわけですから、GOD改造人間最強と言われるとなほどという感じもしました。
何度も言いますが改造素体となったフランケンシュタインは怪物のような人造人間で、コウモリフランケンも改造人間でありながら人造人間としての色が濃かったものですから、翼を得、大砲を得て、距離を置いた戦いには強さを感じましたが、肉弾戦では意外と脆かったかもしれません。
GOD側からしてみれば、対仮面ライダーXのための対策を練ったところでしたが、そこに4人の仮面ライダーが揃うとは思ってもみなかったでしょうから、コウモリフランケンの数少ない弱点でもあった翼の根元を狙われ、仮面ライダー1号、2号のそれぞれのライダーキックで破られたところで勝負あったという感じでした。
映画版で特別演出の改造人間だったように思いましたが、急遽作られたようで思考不足の感が否めなかった改造人間でもありました。