M1号④
「(人工生命)M1号」

女性初の宇宙飛行士であるワレンチナ・テレシコワ(ソ連)の発言に由来した「わたしはカモメ、わたしはカモメ」と呟きながら宇宙空間を漂うこととなったM1号は、人工的に作られた生命体ながら、もともと大阪大学の遺伝子研究チームが開発した人造細胞であり、さらなる研究のため特殊なケースに入れられて航空機で目的地に運ばれる予定であるところ、偶然の手違いで超高速列車に持ち込まれ、カメラのフラッシュを浴びてしまったことで人造細胞が活性化してしまったことが姿を具現化してしまったものでした。
今は科学が進み、生命も人間の手で作られることもある世の中となりましたが、本来生命は倫理の世界で考えられるものであり、人の都合で人工的に作られるものではないと思います。
それでも人の探求心とは恐ろしいものです。
触れてはいけないものを、人の都合で作り出そうするわけですから。

人の進化は猿から類人猿へと姿を変え、その延長上に人が出てきたと考えられてるのは今も昔も変わりなく、そこには染色体の存在が大きかったことがはっきりしてきました。
しかし、染色体の詳細については分かってないことが多く、猿から類人猿になったことや果ては人が出てきたことはこういうことが解き明かされないと分からないのかもしれません。
それは肉体的なこともそうですが、知能や知性の誕生についても同じことです。
M1号がゴリラや類人猿の姿をし、推定3歳程度の知能しか持ち得ていなかったのは、人が生まれる根幹が不明のまま人工生命体を作り出そうとした結果なんでしょうね。
研究途上であったのは、本来アクシデントがなければゼリー状の液体のようなものであったところに現れていますが、知能よりも肉体構成の方に目が行っていたのは、M1号がとんでもない怪力の持ち主だったことに現れていました。

怪力を発する肉体に幼い知能は、様々なトラブルを生んでしまったことがM1号のストーリーでしたし、そこをユニークに表現したものでしたけど、これはウルトラQという番組のアンバランスゾーンをしっかり踏まえた演出となっていました。
M1号①